有限会社の代表者は「取締役」?それとも「代表取締役」?

皆さん既にご承知のとおり、平成18年の会社法の施行により新たな有限会社は設立することができなくなりました。
そして既存の有限会社は名称はそのままに、法的には「特例有限会社」として株式会社の1種として存続することとなりました。
但し、役員任期が法定されない(定款で任期を定めることは可能です。)等、通常の株式会社とは異なる点でいくつかあります。
そして通常の株式会社の代表者が「代表取締役」であるのとは異なり、特例有限会社の場合は会社によって代表者が「取締役」の場合と、「代表取締役」があります。

クーちゃんネコ

どう違うの?

まずは条文をおさらいしておきましょう。
会社法第326条第1項
「株式会社には1人又は2人以上の取締役を置かなければならない。」
とあります。
特例有限会社も「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」により「株式会社として存続」していますから当然取締役の員数については上記の会社法の規定が適用されます。


「取締役」が1人である有限会社においては、その取締役が当然に当該会社を代表し、「代表取締役」という資格の役員は存在しません。
従って当該会社の代表者は「取締役」ということになります。
一方、「取締役」が2名以上である有限会社においては、原則として各自会社を代表することとなります。この場合も、「代表取締役」という資格の役員は存在せず、代表者は「取締役」ということになります。

但し、取締役が2名以上いる場合には以下の方法により取締役の中から「代表取締役」を定めることができます。

  • 定款
  • 定款の定めに基づく取締役の互選
  • 株主総会の決議
この場合は平取締役と代表権のある取締役がそれぞれ存在することとなり、「代表取締役」という資格が発生します。

ところで上記のような「代表取締役」と「取締役」が存在する特例有限会社において、事後的に取締役が1人になってしまったときはどうなるのでしょうか?

ミルク

具体的な登記の事例で教えて
事例
定款第10条「当会社の取締役は、3名以内を置く。」
定款第11条「取締役が2名以上ある場合は代表取締役1名を置き、取締役の互選によって定めるものとする。」の定款の定めのある「特例有限会社甲」
「取締役A、取締役B、代表取締役A」
令和元年5月1日に取締役Bが取締役を辞任した。

当然、取締役Bの取締役辞任の登記を申請することになりますが、それだけでは十分ではありません。
前述した通り、取締役が1人である会社は当該取締役が当然に会社を代表し、「代表取締役」という資格は存在しませんから、取締役Bの辞任登記のみでは、登記上「取締役A」「代表取締役A」が併存してしまうため、併せて「代表取締役A」の記載を抹消する必要があるわけです。
この際の登記すべき事項の原因年月日の記載は「令和元年5月1日取締役が1名となったため抹消」でよいと思います。

登記前 【取締役A、取締役B、代表取締役A】

登記後 【取締役A】

登記前も登記後も甲の代表者はAのままですが、登記簿の記載内容はこのように変わります。

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